グランピングファッションとはなんだろう?
動きやすいスタイルが定番のキャンプとは違い、グランピングに似合うファッションとはいかなるものだろうか?
言い切れることは、決してアウトドア・ファッションとは違うということだ。機能性、耐久性を第一に追求するアウトドア・ファッションに対して、自然をラグジュアリーに楽しむグランピング・ファッションはそこまでを求めない。といって街なかと同じファッションという訳にはいかない。
その微妙なニュアンスをいかに表現するか? 本誌では、実際にキャンプ場の経営に携わり、自らグランピングシーンでのファションを実践するスタイリストの河野貴志さんに、ファッション・ディレクターを依頼した。そこで、グランピングにぴったりなスタイリングのコツに迫った。
まずグランピングとはいえ、地方の施設だと関東近郊の気温よりも低くなることが考えられます。そこでキャンプファッションで大切な、現地で温度差に対応できるかどうか?というコーディネートを意識することが重要!
その温度差を上手に表現するには、レイヤードがポイント。重ね着をすることで調整できるように気をつけるべきです。
朝晩の寒暖が激しい時には、ハットをかぶり中綿入りのベストを羽織れば防寒に。インナーのダンガリー生地のロングシャツはヒップまでカバーし、その上のフォークロア調で同色のビッグサイズTシャツはストレッチの効いた細身のチノパンに合わせることで、上半身の重さにすっきり感をだしています。好きなアイテムを1枚ずつ脱ぎ着することでキャンプを快適に過ごしてもらえればと」。
そんなグランピング・コーディネートのテーマは「究極の普通」が自然に溶け込み、「究極の自然」に昇華したスタイルだという。
「味がないのが自然の味。でも自然にはかけがえのない味わいがあります。それをファッションでも表現したいと思っています」。
ラグジュアリーな空間には、単純なアウトドアファッションは似合わない。機能性はもちろん、大人の余裕を感じさせるようなスタイルを意識してみてはいかがだろうか。